船橋、西船橋にある動物病院です   診療内容 犬、猫、フェレット、ウサギ、ハムスター。その他の動物についてはご相談ください

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動物看護師についての雑感

動物看護師さんというのは多くの動物病院で、来院した飼い主さんや動物達が受付などで最初に顔をあわせる獣医療スタッフではないでしょうか。
飼い主さん、患者さんである動物達、獣医師の3者の間に立って、動物病院のあらゆる場面で表に立つこともあれば裏方としても、常に患者さんと動物医療をつなぐ「接着剤」として奮闘している、動物病院をご利用の皆様にはおそらくそんなイメージを持って頂いていることと思います。

我々獣医師にとって動物病院を運営する上でも動物看護師さん達というのは、もはやなくてはならない大切な存在です。獣医療補助を行う職種が「動物看護師」と呼ばれるようになって数年以上経ちましたが、その仕事内容は動物看護という名称から想像されるような仕事にとどまらず、動物病院で次々に発生する業務を上手に補佐して動物医療を裏方で支えるような仕事全般と言えるでしょう。
動物医療でその役割の存在感を放つ動物看護師さん達ですが、動物病院を経営する身としてはよりよい動物病院のしくみをかたちづくるために、未だ発展途上の動物看護師の在り方やその職務へ期待すること、動物病院内での教育やその待遇など悩むところなど数え上げればきりがありません。

今回のコラムは動物病院の経営者から見える動物看護職を取り巻く環境とその問題点を独断と偏見?で、辛口でちょっと毒入りかもしれませんが書かせていただきました。
というわけで、よくありがちな動物看護師さんの「しごと」はどういうの?という類のソフトなお話しではありません。読まれる方が関係者の方である場合には少々不快に感じる表現があるかもしれませんが、あしからずご容赦ください。。。

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毎年、多くの若い方々が動物看護師を養成する各種学校を卒業いたします。最近では動物看護系のカリキュラムを持つ4年制大卒も増えつつあるようですが、大部分は専門学校卒が占めていると考えると求職者の年令は20歳ちょっと、というところでしょうか。

ところが、たくさんの卒業生のうち、動物看護師さんの資格を得た後に動物病院に新卒で就職するの割合は少なく、ある学校の就職課で聞いたところ、おおよそ3割を下回り年々減少傾向だということを聞きました。さらに新設されてきた4年制大学では1割程度ということですから、なんとなく想像してはいたものの実際に見聞きしてみると、その現状には驚きを禁じ得ません。

そのような理由で、動物看護師の養成を謳う学校はたくさんある割に、卒業生の動物病院への就職が少ないために、新卒の動物看護師さんへの求人はそれを常に大きく上回るという超売り手市場となっています。特に最近では首都圏でさえ採用をしようにもなかなか人が来ないということが目立つようになってきております。

動物医療で求められるさまざまな作業には、とにかく何かをしようとすれば手が4本以上必要なものがほとんどですから、医療サービスのレベルを保つ上で動物看護師さんの人数を確保して患者さんを待ち構えておかなければなりません。ところが、多くの動物病院では人手不足が慢性化しているため、一年を通じて常に求人を出し続けていると言っても言い過ぎではないという状況になっています。

こういった問題はもちろん新卒の採用時だけにみられることではなく、ベテランの実務経験者においてはさらに深刻です。残念なことなのですが、この原因は動物看護職の短期間での離職と動物病院への低い再就職率によって、数年程度のキャリアの労働人口が積み上がらないためと思われます。
その結果として、動物看護師の就業人口を占めるのは経験数年の20代前半の若い層に偏ってしまっており、一般社会人でそれなりの経験者とされる30台の人材を探すのはかなり難しいのが現状です。動物看護職の職業人口は新卒の若年者に対して経験者の割合が少ない、いびつな年齢構成となっているのが特徴です。

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動物看護職に求められる適性や能力は動物医療への時代のニーズの高まりとともに変化してまいりました。その働き方は獣医師の指示通りの単純作業だけに留まらず、診療、検査、手術、受付対応、飼い主さんの心のケアにいたるまであらゆる場面で、その関わりは飼い主さんの方へ一歩踏み出すように、動物病院の運営や獣医療行為の隙間を埋める大切な職域になりつつあります。

動物医療の目的は獣医師が単に診断や治療を披露する場ではありません。獣医療行為のみではなく、飼い主さんの「こころ」にまで関与していくような包括的な専門サービスの提供です。当然、それを側面から支える動物看護職には社会人として成熟し、人間性は無論のこと、しっかりとした職業観、コミュニケーション能力などが当然のように要求されるようになってきています。

動物病院の患者さんにはよい意味で動物医療サービスの質に対して厳しい目を持っていらっしゃる方が多く、同時にさまざまな心理的ストレス下に置かれています。動物医療に関わるスタッフには、このような環境下での質の高い仕事を要求される立場であるということを理解して、飽きずに対応し続ける努力を重ねられるような方が求められています。
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当然ですが、他の業種と同じように新卒の動物看護職は少なくとも数年以上の教育期間を経て一人前になっていきます。ところが残念なことに、こうした教育期間中での多くの退職と、その都度何度も「ふりだし」に戻るような新人教育を繰り返しながら、数年で過半数のスタッフが入れ替わってしまうのが動物病院の日常風景です。

どのような職業でも特に20歳前半の若い女性の離職率は共通して高いものですが、動物病院においては体感的にも、実際のデータでもそれを随分と上回っているようです。
こうしたことはスタッフ教育の問題にとどまらず、動物医療の質を継続的、安定的に保つ上での難しさを生み出しており、従業員がせいぜい10人未満の小規模事業である動物病院では解決の難しい構造的な問題とも言えます。

動物病院経営の話題でよく話題に出ることですが、背景として少子化に加えて東京オリンピック需要などにより多くの労働力が飲食業から建築業へ流出しているそうで、その穴埋めをするように、玉突き的にその他の業種が労働力不足を起こしているという分析があります。しかしながら、こういったことは様々な業界に影響が及ぶマクロな経済の問題ですからどうしようもありませんし、労働力ひっ迫の背景のひとつにすぎません。

動物病院の世界も例外ではなく、規模は小さいものの動物看護職から飲食業への転職が多いということに対しては意外感を持って受け取られる方が多いのではないかと思います。おそらく多くの方がイメージする動物医療職の姿からは想像が難しいことかもしれません。

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業界の特徴、いわばミクロな問題として動物医療に慢性的な人材不足を起こしているより大きな理由はまた別のものです。
動物医療はもちろん、人のものとはかたちを変えたまさに医療現場そのものですから、肉体的、精神的にストレスが多い職場なのは否定できません。多くの生死に立ち会い、患者(飼い主)さんの抱える問題や自由にならない動物を相手に対峙し続ける専門サービス業の最前線ですから、心身ともに疲弊することもあるでしょう。
一方、そうした大変さと表裏一体となるように、それはもう大変な感謝もされ、大きな満足感や充実感を持つことができる職業でもあります。動物医療の仕事はこうした側面が特に強いと考えてはおりますが、いわゆる「プロの仕事」の現場というものは、その専門性のレベルを問わず、得られる充実感、やりがいと相反するタフな側面を少なからず持つというのは共通していることではないでしょうか。

若い新卒者に対して獣医療の持つ、こういった環境に充分な理解と想像力、さらにその環境に向き合って努力する能力を全員に要求することは少々酷なことかもしれませんが、現場とのあまりの意識の落差に疑問を感じることが多々あるのも事実です。
また、専門教育で備わっていると思われる基本的知識、技術はもとより、人として基本的なマナーや働くことは何かということでさえ、卒後に一から教えていかなければならない。そういった現場との最低限のギャップを埋め、現場が求める人材の質を確保するという意味では動物看護師を取り巻く変化に比べると、その教育は今だに不充分なものでしかありません。

批判を承知でステレオタイプの私見を述べますが、学生が持つ「かわいい動物たちに囲まれて仕事ができる」というレベルのモチベーションに伴う問題はもとより、専門学校などの教育機関自らがそういったあいまいなイメージを経営的に頼りにし、学生集めに利用するという悪癖を未だに払しょくできていないためではないでしょうか。
根本的な適性の問題、教育の不在による問題と言い換えても差し支えないような事例をたびたび見てまいりました。

学生の面接時にも働くということ、さらに「この職業に就きたい」という動機の希薄さが残念ながら目につく、そういう現実があります。そういった感覚で就職しても、社会や動物医療の求める看護師像や現場に対峙させられた時に、予想していた「やりがい」では克服し難いということなのかもしれません。

こうしたことは労働環境、賃金をはじめとした待遇を上げている施設が多いなかで、正社員の1年以内の離職率が半数を超え、平均的な勤務年数がせいぜい2年半でしかないという事実が物語っています。つまり、動物病院は動物看護師を雇用するにあたって、1年前後で去っていくかもしれないということを前提にした採用と雇用、教育を行うという、前向きでない労力、コストのかかる仕組みを維持し続けなければなりません。

3年続けばベテラン、5年もいれば表彰ものと揶揄されるような動物看護職の働き方の問題はその結果として、短期雇用の繰り返しによってしばしば「ふりだし」に戻るような若く未熟な職場環境、そこから脱するための継続教育さえままならないという悪循環を繰り返し引き起こしています。
この原因のひとつは動物病院の旧態依然とした労働条件や待遇など、この業界の悪い慣行を引きずっている反省も必要かもしれませんが、そういったことはいつまでも説得力を持つものでもありません。現在では法人化されている動物病院も多く、動物看護師には終身雇用をはじめとして、社会保険や福利厚生などの労働環境を様々な法律に基づいて提供しなければならないご時世です。

動物看護師の社会的地位を向上させようというスローガンが養成機関や各種団体からしばしば大きな声として聞こえてきます。
それを望まない動物看護師さんはもちろんいないと思いますが、この職業を目指した以上はまず、職場への定着と向上する努力という社会人としてまず果たすべき最低限を各人がクリアするという当たり前の努力が求められます。社会的地位の向上はそれありきではありません。それは職業としての信頼感の先にあるものだということをぜひ忘れないでいてもらいたいものです。

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動物看護職の養成は長い間、専門学校が担ってきました。過去にはメディアなどが伝える動物医療の表面的な好イメージにより進路選択のハードルが低い上に満足な入試選抜もない、名前さえ書ければ合格できるなどと揶揄されるような状況だったのは事実です。
また、学費を払えば卒業できてしまうことと、動物病院なら簡単な面接程度で就職できるといったように、動物看護職は努力して目指すという職業ではありませんでした。

さらに専門学校側にも動物医療に貢献する人材を養成するというより、むしろ動物のかわいらしさを前面に医療の本質はおまけ程度のイメージ戦略による、適性を無視した学生募集と不充分な教育など、入学ありきの資格ビジネスの傾向が随所に見受けられるものでした。こういった業界慣習のようなものは改善しつつあるものの未だ払しょくされていないものです。

少々表現が過ぎるかもしれませんが、過去においては動物看護職には決して高いとはいえない資質や能力に関して、動物病院側はそれに対して、すぐに替えの効く労働力として低賃金をはじめとするお粗末な労働条件など、労使ともに様々な問題を抱えつつも、お互いの持つなんとか許せる悪条件に目をつぶって、当たらず触らずバランスを取り続けてきたといっても過言ではありません。

ところが、近年では少子化や若者の仕事観の変化による動物病院への求職者の減少とともに、動物病院の医療機関としての適正化による人員増や病院数の増加など、雇用側の要因によってもともとあった労働力の売り手市場に拍車がかかっています。

また、動物看護職の認定資格化や大学などによる教育課程の新設による高学歴化という教育側がつくりだした急激な変化によって、今まで動物病院と専門学校卒の動物看護職が保ってきた、良くも悪くも安定した雇用関係のバランスの図式が成り立たなくなってきているようです。

特に専門学校の教育姿勢や学生の意識は、実質を伴わないまま一足飛びに高学歴化を前提として、さらには獣医師の間にもコンセンサスのない国家資格化の流れに鞘寄せさせる雰囲気がつくられつつあります。つまり、こうした状態は大卒も専門学校も教育の実態を問わず一緒くたに「箔がついた」求職者のニーズの上昇と、もともとあった売り手市場で上昇した条件を満たせる就職先が選別されて限られてきているということを意味しています。
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動物看護師さんの高学歴化をけん引しているのは新設されてきた4年制大学の看護師課程と言えるでしょう。以前は大卒の動物看護職などはとても考えられないことでしたので、これには隔世の感があります。まだ動物医療業界では扱いなれていないカテゴリーの動物看護師さん達とでも言いましょうか。

当院でも高学歴の看護師過程の学生実習を時々受けますが、目指している動物看護師は?というやりとりで、大学病院などの高度医療や ER(救命救急)に携わりたいなどの希望や、看護師業務以外の「雑用」はさせられるのかといった類の質問の中にしばしばミスマッチが見出されるようになってきました。
就職先として大学などの「二次医療施設」か「大きな病院」のどちらかで迷っている学生も多いそうで、ずいぶん変わってきたなという印象です。学生の皆さんは総じてとても意識が高く、それ自体はいいことなのですが、こういった学生さんは果たして普通の「街の動物病院」には来るのでしょうか?

ところで、動物医療でそういった人材の受け入れ先はどの程度あるのかは未知数ですが、少なくとも卒業生の多くを受け入れるキャパシティーはないのではないかと思います。医師を支えるパラメディカルの裾野が段違いの人間の医療なら多数の医療職を抱える総合病院は当たり前、専門性の高い「看護師」の活躍の場も多いでしょう。翻って動物医療ではどうでしょうか?。
動物病院は数人程度の医療スタッフによる「街のお医者さん」、つまり人間でいう所の「病院」規模ではなく小さな診療所がほとんどであり、それが動物看護師の職場のほとんどをかたちづくっています。こうした意識が高い学生さん達に危惧されるのは目を引きやすい専門性や高度医療のイメージに惑わされて、動物看護師の仕事の基本が何かを見失うことです。

しばしば耳にする「雑務」をやりたくないという傾向に関しては、まずどんな仕事でも実務経験なしでは当然そのような仕事を避けて通ることはできません。また後で述べますが、人間と動物では「看護師」の担う仕事の質と幅は異なります。そもそも、その成り立ちから動物看護職は獣医療に付随する「雑務」を引き受ける立場であり、その雑務とはいったい何かを理解しておいた方がよいでしょう。

動物看護師の本分は、制約の多い獣医療の中で獣医師をいかに補佐して患者さんをよい選択に導くことに手を尽くすることです。高度医療であるとか大きな病院でなくてはと、経験のない新卒者が思うのは未熟故の幻想か一種のファッションにしか過ぎません。
臨床現場に携われば一見、単純に見える日常診療を円滑に進める作業のひとつひとつがいかに難しく、自分の身の丈に余るかをすぐに知ることができるでしょう。実際の現場では表面的な派手さなどはむしろイレギュラーなものであって、ほとんどが地道な判断・作業とその間を埋める「雑務」の繰り返しと言ってもいいでしょう。

こんなことを経験する折に、どうも学校教育の段階でベンチマークとする同じような名称の人間の「看護師」の実在しない、もしくは限られた職域の都合のよい職業イメージが独り歩きしているのでは?という印象と、新たに見られている新卒者とのミスマッチの理由の一端を見るような気がいたします。

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おそらく、多くの方が意外に思われる方もいらっしゃるとは思いますが、わが国では法律的に動物看護職であるために裏付けとなる資格はありません。動物看護職は有資格者が多くを占める職域ではありますが、必須というわけではないのです。
つまり、本人の希望と適性があると判断されれば、動物看護師資格の有無によらず各施設ごとの経営判断によって採用を行うことができますから、実際には全ての希望者に門戸が開かれているのが現状です。

現在では「動物看護師統一認定機構」が設立され、将来的な国家資格化を目指して、既存の複数の民間資格がまとめられて統一資格に移行しています。資格取得者は出身学校によらず、履修すべきカリキュラムを経て一定基準のもとで認定資格が付与されるしくみを謳っているため、動物看護師であるために求められるべき最低限の知識や資質が保障されつつあるように見えます。

ところで、「動物看護師」という呼称は医療分野での「看護師」を強くイメージさせますが、資格の位置づけは随分と異なります。制度面では動物看護師では民間の認定制度ですから、人間の看護師のように業務を独占することはできないため、動物病院に雇用義務は発生しません。

業務面では人間の看護師に許されている採血などの医療的な補助業務を行うことができず、注射・投薬に至る治療行為も動物看護師には解除されておりません。法律上は「無資格」扱いで獣医療に関わる職業の裁量としてはかなり限定的です。このため、医療的技術の向上による付加価値を得ることが難しい職種です。

こういった現状では「動物看護師」という名称がそもそも適切か?という論点さえでてくるでしょう。つまり、動物看護職に考え得る付加価値は人間の看護師のものとはかなり異なりますから、動物病院にとってどう処遇するかは頭の使いどころです。

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動物看護職は、以前にAHT(アニマルヘルステクニシャン)やVT(ベテリナリーテクニシャン、ベテリナリーは英語で獣医の意味)、「動物看護士」と様々な名前で呼ばれていた職種ですが、最近ではVN(ベテリナリーナース)という呼び名ががしばしば聞かれるようになっています。呼称はその時々の時流でさまざまな団体等によってお化粧直しのように変遷しますが、その「実態」は全く同じものです。
最近あった呼称の変化は、資格を統一して民間の認定資格を国家資格にまで持っていくために最適な名称として、人間の医療をイメージすることができる「看護師」と決めたことがきっかけなのでしょうが、その背景には育成業界をはじめ様々な団体の思惑もあろうかとは思います。

呼称がいかに変わろうとも、動物看護師の業務は民間サービス業とみなされる獣医療行為の医療処置以外の補助全般であることはかわりません。施設により多少の位置づけや専門性の置き所の違いはありますが、実際には獣医療で頻繁に発生する獣医師に対しての補助業務全般と患者さん対応に関する仕事が主なものです。

つまり動物看護師に要求される能力の多くは、業務を円滑に進めるための調整能力やコミュニケーション能力、常識などを含めた総合的な人間力に重きを置くものであって、「看護師業務」だけを扱う仕事ではありません。もちろん学ぶべき医療的知識や獣医師を補助する技術の習得は必須ですが、獣医師のような医療技術的な専門性は仕組みとして要求されないものです。

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動物看護師さんたちが働く動物病院は国家資格を持つ獣医師とその補佐を行う動物看護職から成る、数人程度のシンプルな組織がほとんどであり、これは社会から求められている獣医療やその収益構造によりかたち作られてきた経営上の答えでもあります。

社会保険制度の元で看護師をはじめとして医師を支える職種が国家資格になっているような制度や仕組みを公的な資金の裏付けや制度を持たず、経営規模も小さく多様な動物病院に一律に要求することは現実的ではありません。人間の医療においてはそれを維持するために国家的事業として莫大な予算がつぎ込まれていることを考えれば、その理由は自ずと明らかなことでしょう。

現在のわが国の社会情勢や零細な個人経営が多くを占める動物病院のあり方を考えた場合、動物看護師の国家資格化の実現も含めて、今後も現在のような位置づけは続いていくのではないでしょうか。
動物看護師を取り巻く本質的な問題を払しょくせず、それを先送りして国家資格化がもし実現したとしても、動物病院という受け入れの現場とのすり合わせがない限りは教育と現場との温度差は広がるだけでしょう。少なくとも現行の枠内でできることはまだまだたくさんあります。動物病院を経営している一経営者の立場から見るとそれ以外の道はないように思えます。

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ここ数年の間、首都圏では動物看護師の需給バランスが崩れており、求人に対して求職者が極端に少ない状態が続いています。人材が必要な施設はどこも同じようなひっ迫状態と思われ、求人サイトなどではどこにいるのかわからない新卒の動物看護師に対してオークション的な初任給の切り上げが繰り返されているようです。

その結果、特に専門新卒の動物看護師の人材は社会人としての質、能力、モチベーションいずれにおいても異業種からの第二新卒の人材に対して既に労働コストの上では競争力を失いつつある状況になって来ているといっても過言ではありません。
それは一般社会人の就労環境が非正規化、低賃金など悪化する一方で、相対的に労働条件の良くなかった動物看護職の待遇改善が進んできているという現れでもあるでしょう。以前では一般社会人から動物病院へという転職はほとんどありませんでしたが、最近ではしばしばみられるようになってきています。

こうした状況下では雇用する側にとっては一定期間の教育で戦力となる異業種からの採用を行うことはもはや珍しいものではありませんし、今後も必然的に増えてくると思われます。こうした採用が増えていくことは動物看護師制度が目指す方向性に逆行するものであることは承知しておりますが、組織の健全な存続のためにはあらゆる合理的な選択をしなければならないという使命が経営者にはあります。

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関係者にとっては念願の認定資格制度ではあるのでしょうが、その受け皿となるべき現場の感覚としては、まさに「仏作って魂入れず」というように見えているのが現状です。教育機関ならびに認定団体はスタートアップ後の問題点を整理して、それを踏まえて卒業生の出口となる動物病院のニーズに沿った人材の育成と供給のやり方を再考する時期に来ているのではないでしょうか。

「認定看護師資格」の理想像、それによる地位向上それ自体は大いに結構なことだと思います。
しかしながら、動物看護師の多くを占める専門卒の動物医療現場への就職率の低さに頼る「労働コストの適正化」が先行する一方、それに伴って、卒業生に期待される社会人としての資質や基本的技能、いわば学生のトータルな質に関して、目に見える結果が伴わないことに焦点が当たりつつあるのは紛れもない事実です。

バラバラだった民間資格が一本化されて「箔がついた」ことは関係者の方々の願いと努力の結実であろうかと思います。一方で、その変化は少子化によって逆風を受けると思われる教育機関や団体が考える「新たな商材」による残り少ない大きなビジネスチャンスとしての側面も否定はできないでしょう。
残念ながら現場のニーズとはやや異なる様々な思惑の上でつくられた「動物看護師資格」がこうした学生集めや学費収入を自己目的とした制度となる可能性を孕んでいることを誰も否定することはできません。学校経営と社会に求められる教育の在り方、両立は難しいことでしょうが何事にもバランスは大事です。

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動物看護師の受け皿として職域を築いているのは大多数を占める「普通の動物病院」です。つまり、それなしには動物看護師の資格は成立しえないものです。ところが、教育と現場の相互のすり合わせがうまく機能していないために、そこにさまざまな意識の差を生じています。頻繁にみられる動物病院の求める動物看護師と求職者の意識とのミスマッチはその最たるものではないでしょうか。

国家資格化を目指したカリキュラムやいわゆる「専門職」としてのプライドの醸成に力を注ぐことは関係する方々にとって優先順位の高いミッションであろうことは理解できます。
ただ、そういった努力と同じくして、これからの動物医療をどのような位置づけで共に維持発展させていく資格制度なのかということを、学生の資質や能力などを通して時間をかけて明確にしていくことも忘れないようにしてもらいたいものです。
もし、教育機関が「宿主」といえる動物病院のニーズや現状を考慮せずに、自己目的化した制度設計やマインドによる人材育成や運営が行われ続けるようであれば、結果的に生じるのは獣医師、看護師の間にあるべき信頼感の低下や意識の分断化でしかありません。
その結果は動物看護師資格の形骸化と動物看護師の就業人口のさらなる減少につながりかねず、「教育ビジネス」にとっても虎の子である資格そのものの存在意義さえ問われかねないことにもつながるかもしれません。

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蛇足になりますが、国家資格化という大風呂敷で学生を集め、カリキュラムや修業年限を伸ばして資格を付与したはいいが、学生が動物看護師として就職しない。新卒の動物看護師の意識や能力が現場から求められているものと何か違うと感じるのはなぜか?

この理由づけに、動物病院のあり方や動物看護師の仕事内容や待遇が求める「べき」レベルに達していないという結論しか導き出せないということであれば、それはそういった現実のとズレを作り上げてしまった教育の問題です。
教育機関や諸団体が実情を顧みずに拙速に上げてしまったハードル、またぼんやりと遠くに設定された感のあるゴール、そのどちらもクリアするという責任を動物医療の現場にすべて丸投げするということであれば、高い学費を払って卒業した学生さんにとってはなんとも酷な話ではないでしょうか。

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昨今、動物看護職のコースを設ける4年制大学はもはや珍しいものではありません。専門学校もカリキュラムの増加に伴い修業年限も伸びる傾向にありますし、そういう意味では学校教育の厚みと資格取得者の多様性も増しつつあるように見えます。

動物看護職を取り巻く環境変化によって、長らく続いていた歪んだ労働力の売り手市場にも労使双方に多少なりとも選択肢が増え、競争原理が働くようになってきたのはとにかく歓迎すべきことでしょう。実際にこういった変化により動物病院側にも選別されるという圧力が強くなってきており、動物看護師の待遇、雇用条件や職務内容、教育をはじめとするさまざまな仕組みの見直しを促すことになってきています。

一方で、新卒の動物看護師の待遇の改善に伴い、今後は経営的な視点での動物看護師の労働コストは同じく専門職の新卒の獣医師や、さらに一般社会人の第二新卒との比較において、従来よりも鮮明になってくるでしょう。
つまり、早期に退職するような コストに見合わない「専門職」であったり、資質において一般社会人との差別化ができないような「資格職」であれば自ずとその評価は厳しくなるということです。従来のような労使の甘えはお互い許されない関係になりつつあるといえばよろしいでしょうか。

あらためて言うまでもないことですが資格とは職業の価値を無条件に保証するブランドなどではありません。それによって待遇改善や社会的地位が一方的に改善されることはないのです。民間資格であれば尚のこと、その価値や信頼は当事者たちそれぞれが汗をかいて作り出さなければならないものです。

動物病院は動物看護師さん達のキャリア形成をお手伝いすることはできますが、それは時間をかけて実を結ぶものでしかありません。本来の意味での待遇改善や地位向上は社会人としての自覚はもちろん、動物医療を担うパートナーとして腰を据えた動物医療への関わり方が基本となるでしょう。
そういった努力なしでは現在みられるような「看護師資格」に頼った見かけ上の底上げや動物看護師不足による一時的な待遇改善はいずれほころびが出ることになるのではないでしょうか。

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とにかく動物看護職を取り巻く環境改善への制度的な取り組みはまだ始まったばかりです。これからも紆余曲折、時間はまだまだかかると思いますが、動物看護師さん達が名実ともに職域を担う専門職としての動物看護”師”を堂々と名乗ることができるよう、動物医療との深く関わり合う仕事としてとらえられる方が増えることを願っております。

動物看護職の仕事は素晴らしい仕事だと思います。決して万人に向けの楽な職業ではありませんが、充分に臨床経験を積んだ動物看護師さんたちが見せる本物の笑顔や真剣なまなざしがそれを物語っています。

本コラムは個別の表現の上でやや毒々しいものがちりばめられておりますが、一獣医師として、また動物病院を経営する立場からの日頃から思うところを気ままに書かせていただいたものです。
極論も含めて、こうしたひとつひとつの意見の積み重ねが動物看護師をはじめとする動物医療のありかたや方向性のアンチテーゼになって、わずかでもより良い方向性をつくりだすことができるかもしれません。私自身は甚だ微力な存在ではありますが、動物病院経営を通じて、また個人としても動物看護師を取り巻く環境の改善にお役に立てれば幸いと思っております。

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文責:あいむ動物病院西船橋 病院長 井田 龍

 

最後に。。。

ここまで読み進まれた方。大変お疲れさまでした。当院ホームページのコラムの片隅でひっそりと日頃の思いを書き連ねているうちにいつの間にかクドクドと長い話に育ってしまいました。

ところでこのコラムは筆者の意図しないところでページビューが意外にも多いようです。

このような文章を読む機会があるのは動物看護師さん、学生さんくらいだろうと思います。なにやら面倒くさそうな院長だなと思われてスタッフ募集に悪影響があるのでは?とスタッフから苦言をもらうくらいですから、こういった文章はいろいろと悪影響もあるかもしれません

そこで本題ですが、こうなったらこのページビューに便乗して求人に使ってしまえ、というそんなアイデアが浮かびました。

コラムのあとがきまで読んでくれた方は、もしかしたら何らかの忍耐力と、一見つまらなさそうなものに何かを感じる能力、つまり採用基準に達する何かを持ち合わせているかもしれないと。

当院では「やる気のある動物看護職を担う人材を募集しております。」

「あいむ動物病院 西船橋」は、千葉県船橋市に2008年に開業した、まだ若い組織ですが、この文章の最終執筆時、2016年7月8日の時点で獣医師8名、動物看護師が9名、その他の非医療系スタッフ4名を擁する動物病院です

看護師さんは10年オーバーのベテランから、異業種からの方、非常勤のママさん看護師さんに至るまで多彩な方々が在籍しています。ご本人の希望により常勤・非常勤・時短など多様な雇用形態を実施しており、ご本人の得意な分野に合わせた職場配置をすることも可能です。

当院では個性や能力を重視し、その力を発揮できるような運営を行っています。新人の方はもちろんですが、ベテラン動物看護師さんやなんらかの得意分野がある方は優遇いたします。当院ではベテラン看護師さんの在籍が多く、そうした方の活躍の場をつくることが重要と考えております。

既に一線を退いている方や常勤、非常勤は問いません。いずれも継続的に責任をもって業務に従事できる方であれば歓迎いたします。

職場はJR西船橋駅から徒歩3分と通勤便利で、安全です。社保などの福利厚生は完備しています。

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2013.05.05

診療時間

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駐輪場9台併設
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あいむ動物病院 西船橋スタッフ