船橋、西船橋にある動物病院です   診療内容 犬、猫、フェレット、ウサギ、ハムスター。その他の動物についてはご相談ください

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その口コミ、参考になりますか?2

「その口コミ、参考になりますか?」の続きです。。。

唐突ですが、私は1児の父親です。突発的な発熱、おう吐下痢、外傷など、小児科や救急外来によく行きました。小児は体のことを他者に上手く伝えられず、急にぐったりしてしまったりすることもしばしばです。親としては誰しも不安な心理状態になりますから、すぐにでも「いい病院」にかかりたいという心の緊急度と抱える 不安はとても大きいものです。

動物病院へいらっしゃる飼い主さんの心境としては、小児科にわが子を連れていくのに近いということを子供を持って改めて実感しています。以下はその小児科で経験した話です。話の舞台がもし動物病院だったらどうなのだろうか、治療側の言動が必要以上に患者さんをイライラさせていないかと自戒の念も込めて自分の中でよく反芻する出来事のひとつです。。。

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当地、千葉県船橋市では子供の人口増加が続いているせいか、小児科の診療所によっては当日の予約を取ることさえ難しいこともあり、ただでさえ不安な中スタートラインから躓くこともよく経験します。さらに予約といっても時間当たりの「人数制限」のような仕組みも多いですから、診察までかなり待つことになります。

そのようなときに何を思うでしょう。いつになったら呼ばれるかわからない。医療スタッフは一瞥することもないので、「待たせること」に関しては何の配慮もありません。一体何のための予約なんだと不満が沸々とたまりますが、まあ我慢です。当院も予約したにもかかわらず、同様なことでクレームを頂くことも多いのでなんだか身につまされます。。。

その日は待つこと1時間半で診察室に入りました。ぐずる子供を抱えてもうグッタリ、決して気分がいいわけではありません。さらに、入室しても医師は座ったまま無言でパソコン画面を見ています。こちらの挨拶を返すことはおろか、私を見ることさえなく診察は始まりました。もしかしたら「患者をまわす」、ことのに忙しいのでしょうか、その気持ちも分からないではないですがちょっと。。。

子供がぐずって嫌がったので診察しにくそうです。支えようとすると、突然、”そっちじゃない、お父さん。もっとしっかりと押さえてよ!”、 と予想外の言葉を投げかけられました。失礼なお医者さんがいるもんだなと思いましたが、あまりに唐突だったのであっけにとられてしまいました。。。

通院は3度目でしたが、私が連れて行くのは初めてでした。3週間にわたる咳と、膿の混じった鼻水、繰り返す発熱が改善せず心配でしたので、今後の治療方針について聞いてみようというのもありました。医師にはそう申し上げたのですが、「中耳炎があるね。」という独り言のようなつぶやきだけで、私の訴えは意に介していない様子です。

” 先生、初診時からの抗生物質がもう3週間目ですが、効いていないのではないでしょうか?それとゼロゼロと喘息っぽい状態が増えてきたのですが、テオフィリン(気管支拡張薬)とかネブライザー(吸入器)の使用などはどうなんでしょう?”と尋ねました。本来はプロの判断が絶対だと思っておりますが。そのまま診察も終わってしまいそうですので、もちろん抑制的にです。

そんな質問で医師は初めてこちらを見ました。私の顔から靴まで一瞥した後に、一呼吸おいて、”どこで仕入れた知識だかわかりませんが小児学会(?)のガイドラインっていうのがあってね。こういう治療をすることになってるんですよ。”と怪訝な顔をしました。そして最後に、じゃあ、薬変えときますから。それでいいですね!?と、念を押すように告げられて診察は終了しました。今後の注意すべき点、変更した薬に関しての説明などは全くありませんでした。

ところで、いきなりガイドライン?って、普通の患者さんには分かるのだろうか?患者の疑問に感情的にいきなり「印籠」だすとか、厄介払いかな?といろんなことを邪推してしまいます。まあ、それ以上は雰囲気的にもとても聞けませんでしたが、とにかく終始イライラの中での3分程度の短い診察は終わりました。

その後、数日で子供の発熱はなくなり数週間続いていた諸症状は見られなくなりました。あの時ちょっと聞いてておいてよかった、などとも思いましたが、それ以上にその医師には嫌悪感が芽生えましたので私は今後そこの病院には行くまいと心に決めました。

結果的には医師の判断により病状は回復いたしましたが、私は、医師がとるべき最低限のコミュニケーションを怠った。という強い不満を抱きました。

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ところで、上のやり取りでどのくらいのクレームの種が蒔かれたのでしょう?「結果的」に治りましたが、そうでなかった場合はどうでしょうか?

何らかの不満に対して、それをクレームとして主張するか否かは個々のパーソナリティや心理状態でまさに十人十色ではないでしょうか。私はあまり不満を口に出さないタイプなので、この時点でいわゆるサイレントクレーマーになってしまったようです。これは典型的な「日本人気質」に最も多いパターンです。

その場で積極的に主張することはありませんが、もし、このような心理状態で、匿名で無制限に批判できる医療系口コミサイトを見つけた場合、どんなことが予想されるでしょう?そういった場があれば、上記のやり取りに関する不満を「少々お行儀のよくない表現」で投稿して、仕返しとして拡散することで溜飲を下げることができるかもしれません。

ところが、そんな鬱憤を解消する場はどうも存在しないようです。そればかりか、上記の小児科の医療口コミ系ポータルサイトの評価は、「よい」という意見で埋め尽くされているではありませんか。ポリシーを見たところ、否定的な口コミは排除される仕組みです。おまけに、過度のクレーム投稿に対しては何らかの法的制裁がある可能性の注意がしっかり出ています。。。

人の医療機関の口コミサイトなどのポータルサイトでは若干の違いはありますが基本的にプラスの口コミ情報により医療機関を評価、選択することが前提となっています。いずれも、恣意性が強かったり悪意を感じるような意見には制限がかかる仕組みになっています。これは正当なマイナスの意見を封じて無分別に医療側を守っている側面も否めませんが、

私は医療口コミの特性を考えると、消去法的には最適な判断だと思っています。

ここで冒頭の小児科の医師の立場になって考えてみました。適切な治療をするために最低限の3分ちょっとの診療で一時間当たり15件前後と忙しい現実があります。そんな環境で治療以外に関わっていたら診療はどんどん引き伸ばされていくでしょう。
もちろん医師によっての個人差はあるでしょうが、こういった現場では患者の気持ちとか満足度などというものはあくまで枝葉の部分であり治療とは直接関係ないことなのでしょう。

一方で、私が訴えた不満は突き詰めると医療とは関係のない問題です。つまり、「予約制なのに待たせる」、「医師の態度や物言いが横柄」、「質問に真摯に答えない」等の不満です。これは一般社会の常識から外れるもので、確かにケシカランことでしょうが、医師の立場からみたら医療に感情を持ち込むなんてケシカランのかもしれません。そういったものは医療の本質的な問題ではないという一貫した考えがあるのでしょう。口コミサイトのポリシーもこうした考えに近いものではないでしょうか。

患者さん側は何らかの不安を常に抱えており、さらに治療側と受ける側の知識や認識のギャップ、感情的な問題によるコミュニケーションの破たんが数多くみられます。様々な配慮でそれを埋めるべく努力がなされますが、それにより不満やクレームが回避できるかを問われれば、それは多少は減らすことができるというものにどまるものでしょう。

医療系口コミの扱いの難しいところは、その評価やクレームが旨い,不味いレベルの分かりやすさで万人に通じる参考情報とはなり得ないことです。個別に起きた医療上の問題のほとんどはそれぞれの患者さんに帰すべき問題で、他にはあてはめられないものばかりです。特に動物病院では同じ病気の治療でもその向き合い方は患者さん毎に異なりますから、よりそういった傾向は強いでしょう。

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大抵の獣医はある意味サービス業であるという認識と緊張感を普通に持っていますので、自らの言動や患者さんとの距離には常に気を配っているものです。私見ですが、獣医は個々の患者さんを理解しようという性向が強いという意味で、気持ち的にずいぶん患者さん側にいると思っています。これは、自ら病院に通院してみると治療側との距離感の差としてよく実 感できるものです。

それでもクレームは日常的に生じますし、「まさかこんなところから?!」という予想の斜め上からのものも時折経験するところです。もちろん、それはコントロールできる代物などではなく、患者数が多くなれば当然増えるものです。サイレントクレーマーもそれに応じて増加していくものでしょう。私は、不安で時にイライラしているかもしれない相手に対応し続けるということは、そういうものだと思っています。

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動物医療にはもちろん公的な医療保険制度がなく、さらに公的機関からの監督さえ受けない自由診療です。診療の「かたち」から個々の医療スタッフの位置づけに至るまで、あらゆる面で人の医療のような基準がありません。何事も経営者の倫理観や使命感、経営方針次第といっても言い過ぎではありません。

つまり、医療を受ける側が動物病院の方向性により生じている、こういった良くも悪くも様々な格差を含めて選択する必要があるということです。この辺りが動物病院選びを難しくしている原因かもしれません。。。

もちろん、料金に関しても人の診療報酬や薬価基準のようなものはありません。それだけでなく「独占禁止法により一律の報酬を設定すること自体が違法となる」ため、動物病院間の料金格差も決して小さくありません。こういったことはそれをご存知ない方によって動物病院の料金格差を批判する際の材料としてしばしば、やり玉にあげられるものですが、実際どうしようもないのです。

さらに治療の進め方において、同じ病気や症状であっても、患者さんの個別状況や希望の程度により個別に治療方針や内容さえ変化してしまう、いわば「区別的な医療」です。これもケシカランという方が当然いらっしゃると思いますが、完全な自由診療の元では致し方ないことです。

一方、人の医療保険制度は、老若男女誰にでも平等のすばらしいシステムですが、悪く言えば制度の枠内での杓子定規で患者さんの個々の特性を切り捨てた「区別のない」医療が実施されています。これは公的医療保険制度のもとでは仕方ないことですが、同じように見える動物医療の進め方とは、そもそも対極にあります。

そのような動物医療の特性とばらつきから考えると、動物病院向けの口コミサイトのニーズは人間の医療以上に高いものと思われます。サイトの目的と運営が適切でポリシーも適正な口コミサイトはもちろん必要でしょうし、動物病院を利用しようと思っている方にとって強い味方となるだろうことに疑いの余地はまったくありません。

しかしながら、運営方法を原因とする不適切な情報発信により、ポータルサイト自体が個々の動物病院への風評を助長したり、さらには動物医療全体に対して根拠のないネガティブイメージ を与えることがあれば、そのようなサイトの存在は一般の利用者には何らの利益ももたらさないでしょう。
また、善悪の詐欺的口コミ情報などにより利用者の選択を歪める可能性があるならば、それはいったい誰のため、何のための口コミ情報でしょうか?

口コミサイトの批判にさらされるのは、もちろん問題のある施設も一部にあるかもしれません。しかし、一方で多くの何ら問題のない施設、さらに積極的に難しい患者さんを受け入 れている施設、昼夜を分かたず診療を行うなど、同業としてその熱意に頭が下がるような動物病院やその経営者、よりよい動物医療のために既存の環境に安住せ ず、自らリスクを取って診療をしている数多くの獣医師が含まれているのは紛れもない事実です。

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動物病院口コミサイト、ポータルサイトを業としている方には、発信されるネット情報の性質を改めてよくご理解いただき、自らが拡散する情報が利用者や社会に対して最終的に適切なものであるよう、「しっかり仕事をしていただきたい」と思います。

他の組織の評価や格付けという「公の判断を装う仕組み」を最大限に利用してビジネスモデルにするのであればなおのこと、自らの公益性を追求する義務というものも同時に背負うべきだろうと思います。サイト利用者だけではなく、利害関係者に対して、自らの存在意義と目的を主張できるような仕組みの構築、維持発展を怠らない努力というものはそのサイトが社会的に存在する上で最低限果たすべきマナーでありましょう。

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最後に。。。徒然なるままに盛り込み過ぎて、2部に分かれるとても長い文章になってしまいました。最後まで根気よくこんな落書きを読んでいただいた方には感謝申し上げます。そして、なんとなく腑に落ちるところを持っていただければ幸いです。長文失礼いたしました。。。

文責:あいむ動物病院西船橋 病院長 井田 龍

2013.06.13

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