「おむつ」の選び方・使い方

こんにちは。介護ブログ担当の小泉です。

今回は前回の「老犬介護~排泄のケアで困る前に」に引き続き、介護に欠かせないアイテムの「オムツ」についてお話しします
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ワンちゃんの排泄に問題が起きてしまい、いざ「オムツを使ってみよう」、と決断したあとに立ちはだかるのが、いったいどんなものの、どのサイズを選べばいいのかよく分からないという問題でしょう。
犬用やヒト用、ヒト用なら乳幼児用から介護用までメーカーや製品により機能性や値段も様々でどうしたらよいかわからない。犬専用のオムツは、人のものと比べて全体的に値段が高めですから、そのメリットは?と、とくに迷いを感じられる方も多いかと思います。

人用と犬用どちらがいいの?という問題ですが、私達の勤める介護施設ではコスト面から人用を使う機会が多いものです。  犬専用のオムツには尻尾を通す穴があらかじめついています。ヒト用のオムツにはもちろん尻尾用の穴なんかありませんから、使用する前に穴をあける必要があります。おむつ替えは頻繁に必要ですから、小さな手間を大変と感じる方もいらっしゃるかもしれません。こういった作業は慣れればわずかな時間でできるようになりますので、事前に 作り置きしておいてもよろしいかもしれませんね。

ヒト用のオムツに尻尾の穴の開ける方法は、以下の手順と写真を参考にしてください。

〈おむつの作り方〉
①お腹と尻尾の位置を合わせて、大体の尻尾の切り込み部分を決めます。
②決めた部分をはさみで切ります。
③ポリマーが出てくるので、切り口に紙テープ(なるべく柔らかいもの)を貼ります。
④出来上がりです。

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尻尾穴の開け方にも色々なやり方がありまして、これは飼い主さんのお好みで良いと思います。使用目的に応じていろいろなパターンがありますので、ぜひご参考になさって下さいね。

①うんちをオムツの中にキャッチしておきたい場合(踏み荒らしを避けたい時)
②うんちはオムツの外に出したい場合(うんちかぶれを防ぎたい場合)
③テープの箇所をなるべく少なくしたい場合
④テープを折り込むのが面倒な場合
 (十字に切り込みを入れて、切り口を折って、上から貼るだけです)

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オムツのサイズはワンちゃんの大きさ、排便の質、量や回数によって調節が必要ですが、予想外に排便量が多かったり、お尻の部分がぶかぶかだったり、逆にぴったりだったりと、サイズや状況になかなかうまくフィットさせられないこともあります。

  オムツのサイズは犬用であればパッケージに、一応の目安が書いてありますのでやはり楽です。人用のものは包装単位も大きいので、合うかどうかも分からないのに何十枚も購入するのは抵抗がありますよね。 ただ、やはり合わせて、実際に使用してみないことにはフィットするかは分からないのが難しいところです。

人用と犬用を比べると、人用のオムツはサイズに比べては足回りがきつい傾向があるので、股ズレを起こしやすいかもしれません。下の写真のように 同じ条件下で人用おむつ(ムーニーS)と犬用おむつ(ユニチャームS)の足回りの大きさを比べてみました。かなり違うのがお分かりになるでしょうか。。。

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紙オムツを購入するときは胴回りと足回りのサイズを測ってからの方がよいでしょう。 そして着用したときは足回りがきつくないか、チェックしてください。下の写真のように 指2本くらいの余裕があるのが理想的です。

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いろいろなサイズのわんちゃんたちのオムツのサイズの目安を下の表にまとめましたので、ぜひ参考になさっててください。

オムツサイズ.PNG

おむつの試供品がもらえるお店もあったり、最近はフリマアプリなどでも不要になったおむつをバラで売っていることもあるので、 最初はそういった入手方法もよいかもしれません。

雄犬ではオムツにマナーベルトを併用することもあります。 (オムツでペニスまでカバーできる子は一枚で済ませますが。) マナーベルトも犬用のものはコストがかかりますので、代用として人用のおむつを使うことが多いものです。 大型犬などはペットシーツと人のシニア用の尿とりパッドを併用します。 テープは外観上目立たなくするために、私共の施設では白い布テープを使っております。

マナーベルトサイズ表.PNG

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さて、サイズの無い大型~超大型犬の場合ですが、私共、介護の従事者もケースバイケースで試行錯誤しております。 大型犬はおしっこの量も多いので、少しずれただけで漏れてしまうことが日常茶飯事です。 現在研究中で、試行中のペットシーツと人間用の尿取りパッドで代用する方法をご紹介します。

下の写真のようにペットシーツを三つ折りにして、真ん中に人の介護用の尿とりパッド(半分)を貼り付けます。 これでしたら、胴回りが60cmまでの子が着用できます。背中の部分で布テープを貼って、きつさ具合を調節してあげてください。

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人用のオムツ、犬用のもの、いずれを使うにしても、こまめにおむつやマナーパッドを交換することがとても大事です。残念ながら楽をするための近道はありませんが、ちょっとした工夫で問題を最小にできます。
尿がある状態でつけっぱなしにしますと、膀胱炎や尿やけや皮膚かぶれの原因になります。 人用であれば、おしっこをすると線の色が変わるものもあるので、濡れているかの確認がすぐできて、これもまた便利です。

最後に。。。
飼い主様のなかには、おむつを履かせることによって、わんちゃんの老いを感じるのが嫌で躊躇いがある方もいらっしゃるかもしれません。 老いを感じてしまうのは仕方のないことですが、やはりそれも受け入れ、わんちゃんとの老後との生活をつらい思い出を少なく、快適に過ごしていくことができればと思います。

今回も長くなってしまいました。。。 最後までお付き合いいただいてありがとうございました。なかなか言葉や写真だけではお伝えするのが難しく、分かりづらい部分があるかと思います。 おむつに関しては、また新しいアイディアがあれば、ご紹介しようと思います。 それでは、また次回。。。

(※)表中で用いたわんちゃんのサイズに対してご紹介している犬用おむつは「ユニチャーム」、人用おむつは「ムーニー」、の製品を参考基準にしています。 また、尿とりパッドは「ライフリー」、のものです。

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小泉ひさの 
トリマー、動物看護師

 

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