しっぽ

関節症治療薬「カルトロフェン」

今回は変形性関節症などによる慢性痛の軽減や、原因療法となる関節軟骨の修復を促進する画期的な治療薬、ポリ硫酸ペントサンナトリウム、「カルトロフェン」のご紹介したいと思います。

この「カルトロフェン」変形性関節症の原因に対して直接作用し、痛み止めなどの対症療法のみでは得られない関節疾患の安定的な管理を、負担の少ない治療を可能にした優れた治療薬です。なお、この薬に関してのメーカー情報は下記を参照してください。

>>>こちらをクリックしてご参照ください。

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変形性関節症の治療においては痛みによる問題や歩行異常に対して、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)をはじめとする抗炎症薬が多用されます。ところが、こういった痛み(慢性通)は慢性再発性の経過をとり、対症療法のために薬を長期間にわたって継続しなければならないということがしばしばです。

痛みなど症状の緩和と関節症の直接の原因に作用して進行を遅らせる目的でグリコサミノグリカンヒアルロン酸等のいわゆる「病態修飾薬」が人の整形外科などでは一般的に用いられています。実はこの「カルトロフェン」もそういった薬物のひとつとして開発されました。

また、いわゆる関節用のサプリメントとして巷に溢れている、グルコサミンやヒアルロン酸、コラーゲンを含むサプリメントも広い意味ではこのカテゴリーの薬物に含まれます。

こういった薬剤の特長は低下ないし破壊されてしてしまった滑膜の機能を代替し、炎症の緩和と関節軟骨の代謝を維持することで関節軟骨の修復を促します。人の整形外科分野ではこういったヒアルロン酸などを直接関節内に注射して症状の緩和を図る治療が一般的に行われております。

動物医療では関節内への薬剤投与を行うためには鎮静ないし麻酔を実施する必要があるために煩雑でコストが高く、人で行われているような薬物療法を選ぶことが長らくできませんでした。また、その代わりとなる市販の各種サプリメントも補助的な効果はあるものの、治療的な効果を得るには、口から消化管を経由するために非常に効率の悪い方法です。

このような状況を解消するために開発された画期的な薬剤が「ポリ硫酸ペントサンナトリウム、商品名カルトロフェン・ベット(DSファーマアニマルヘルス)です。

この薬剤のユニークな特長は関節内投与によって期待されるような処置と同等な結果を簡便な皮下注射によって代替して、通院治療を可能とするところにあります。治療は1週間に1回、4回の来院でその後は半年程度と長期間の効果持続が期待できます。関節症のメカニズムとこのペントサンナトリウムによる治療の仕組みは下記の外部リンクをご覧になっていただければと思います。(動画が再生されます。)

>>>犬骨関節炎へのカルトロフェンベットの治療アプローチの仕組み

変形性関節症などによる慢性関節炎などの骨関節の痛みにお困りの方、抗炎症薬の投薬が難しかったり、代替の治療法を探していらっしゃる方は当院獣医師までご相談なさって下さい。

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