船橋、西船橋にある動物病院です   診療内容 犬、猫、フェレット、ウサギ、ハムスター。その他の動物についてはご相談ください

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11周年を迎えました

例年にない記録的寒波の影響でとても寒い雪混じりの天気の中で、私たちは2月11日の「建国記念の日」を迎えました。

毎年やってくるこの祝日が当院の一年の始まりと終わりを告げてくれます。「建国記念日」は、私たちにとっての「開院記念日」でもある特別な祝日です。

本年度は当院の開業から数えて11年目を迎えます。

悠久の我が国の歩みには時間も、規模も遥かに及ばないの存在ではありますが、それでも一年ずつその歴を重ねられることに感謝し、スタッフ一同それを励みとしています。

本年度も引き続き、地域の皆様のお役に立てるような病院運営に注力して参りたいと思います。

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デジタルレントゲン

皆様はレントゲン検査の"デジタル化"と聞いて何を想像しますか?

最近は人間の病院ではお医者さんがパソコン画面ばっかり見てるなーとか、レントゲンフィルムをかざしながら。。。というようなドラマの演出の”舞台装置”として見なくなった、などなど、実はデジタル化の影響というのはそんなところに端的に表れているのかもしれません。

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デジタル化以前のレントゲン検査は、扱いの面倒な大きなレントゲンフィルムレントゲン写真を現像して、シャウカステンレントゲンフィルムを引っ掛けて裏から光を当てて透過光で観察する専用の装置)にセットするまでの過程に、それに関わる作業の非効率が数多く介在しておりました。

レントゲン検査”のデジタル化は、身近な”写真”のデジタル化の流れと重ねると分かりやすい現象です。
つまり、デジタルカメラの急速な普及で写真を現像するという一連の作業そのものがなくなってしまい、誰もがそれをデジタルデータとして手軽に持ち運べるようになったとこと。さらに、パソコンなりスマホなど、どの端末でも手軽に確認できるのが当たり前になったということ。
こうしたことと同じようなことが医療用のレントゲン写真でも起きているのです。

こうしたデジタル化の流れは医療の世界で100年を超えるレントゲンの歴史のわずか10年くらいの短期間でレントゲン検査の仕組みを大きく変化させました。
この変化はレントゲン写真の画質を飛躍的に向上させたということに留まらず、レントゲン写真を撮影、処理、管理して、それを患者さんに説明する過程での非効率な仕組みを取り巻く、コトやモノの環境を大きく変えるに至っています。
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レントゲン写真を撮影するための装置というのは大まかに分けてX線を照射する装置」とそれを受けとる「X線を画像化する装置」の2つの仕組みから構成されています。
後者のX線を画像化する「X線検出器」とそれを制御してレントゲンの画像処理やその保管を担う端末を組み合わせてシステム化されていますが、この部分にデジタル化の波が押し寄せているのです。

下記の当院ブログ「新しいレントゲン設備」では、X線エックス線)の発見やレントゲン写真の原理やその黎明期、現代に至るまでの流れをX線を出す方の機器、「レントゲン照射装置」とは何か?という視点をからめて解説させていただきました。

>「新しいレントゲン設備」

レントゲン照射装置レントゲン写真を撮影する際の”光源”となるX線を発生する機械のことです。
この装置が野球に例えると”ピッチャー”としての役割を果たす一方で、その照射された光(X線)を受け止めデジタルデータに変換してレントゲン画像の元をつくる、”キャッチャー”としての役割を持つのがX線検出器です。

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今回はこの「X線検出器」のお話をしたいと思います。

レントゲンフィルムは”キャッチャー”としての不動の地位をレントゲン博士の大発見から100年以上にもわたる長い間築いてきましたが、わずか10年程度の短期間でその座を奪われてしまうくらいの勢いでX線検出器が普及してきました。
この変化は、仮定の話に例えるとわずか10年くらいにガソリンエンジンの車が一気に時代遅れのものとなり、電気自動車に置き代わってしまうというインパクトに匹敵するものと言えるでしょう。

つまり、このX線検出器こそが医療を皮切りに、それからやや遅れて獣医療でも起きている画像検査デジタル化をけん引している立役者なのです。

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ところで、ここでちょっと脱線しますが、デジタル化以前のレントゲンフィルムによるレントゲン検査はどんなものだったのでしょうか?。。。

15年以上前の話になりますが、話題となり始めた初期のデジタルレントゲンシステムは多くの動物病院にとってはまだ高嶺の花でした。欲しいけれどなかなか手が出ない、イソップ童話の”酸っぱい葡萄”の話を地で行くような感じと言えばいいでしょうか。

曰く、レントゲンフィルムの画質には当分かなわないだろうというアナログへの懐古的な意見がまだ多く、アナログ撮影と比べて画像がどうかという点がフォーカスされ、その他のメリットを期待する意見は目立たなかったように思います。

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アナログ時代のレントゲン撮影は光に一瞬たりとも触れたらダメになってしまうというレントゲンフィルムの扱いに終始気を遣う作業の繰り返しでした。自分自身、いったい何枚のフィルムを感光させゴミ箱送りにしたことか。。。

現在のように端末の画面に瞬時にレントゲン画像が映し出される環境に慣れてしまっている環境では想像すらできないですが、”診断できるレントゲン写真”がちゃんと出てくるかどうか、その良し悪しがいちいち問われた時代でした。

レントゲン検査は撮影に先立って、半畳に満たない光の入らない暗室の中で、半ば手探りで縦横B4程のレントゲンフィルムカセッテという”遮光されたバインダーのような入れ物”に撮影枚数の分だけ、一枚づつ挟み込む作業(下写真)から始まります。

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そして、撮影の度に暗室に戻って、再びフィルムを取り出して現像するという、手順を要する作業の繰り返しでした。

当時、既に自動現像機という”画期的?な装置”が普及しており、フィルム現像の工程は自動化されていたため、装置にフィルムを入れればとりあえず現像され出てくるのですが、一枚当たり7-8分もかかりました。
もちろん、自動現像とは言ってもその手順が自動なだけで、現在のようにディスプレイにキレイな画像が自動的に出てくる訳ではありません。なぜか同じ条件でもいろいろな画質の写真が出てくるのですが、その画像をその後に調節することもできできません。

少しでもダメなら全部撮影からやり直しです。

繰り返して数枚撮影する時には、暗室X線室を何度も往復しなければならず、出てきた画像が”ダメ出し”されればそれまで費やした時間は無に帰します。
放射線技師もいない上に、動物の動きが自由にならない動物病院では4枚程度のレントゲン写真を見るために汗だくで撮影から30分以上ということも、まあよくある話でした。

さらに撮影作業以外にも自動現像機のクリーニングや現像液など水物の交換やメンテナンス、廃棄物処理に至るまで手間とコストがかかったものです。

その昔、その自動現像機の恩恵さえなかった時代のことはもはや想像さえしたくありませんが、暗室の中で「現像液定着液洗浄液→乾燥」という現像の工程をすべて手作業で行わなければなりませんでした。
現像液などの薬液の濃度や温度、フィルムを各々漬ける時間配分など経験に頼る部分が多く、現像のノウハウにおいて写真家のような職人芸が必要だったようです。

振り返ってみると、レントゲン撮影という頻繁に行う検査にまつわる環境が非効率であったために、いかに多くの貴重な時間が奪われていたかということにを気付かされます。。。

デジタルレントゲンはその”画質のよさ”というハードウェアの性能にどうしても目が行きがちではありますが、実はその大きなメリットは撮影作業を取り巻く業務を省力化し、誰が撮影しても短時間で同じ結果が得られるということにもあるのです。

>レントゲン検査のデジタル革命とは?

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現在のレントゲン撮影のデジタル化の先鞭をつけたのがX線検出器としての第一世代のCRレントゲンでのイメージングプレートによるデジタル化です。
このイメージングプレートレントゲンフィルムを入れるカセッテと同じ形状をしており、外見上はフィルムカセッテとあまり区別がつきません。(下写真)

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イメージングプレートには、レントゲンフィルムの代わりにX線を吸収してレーザー発光する特殊なフィルムが入っており、この発光を撮影後にスキャン(現像)することでレントゲン画像を得る仕組みです。
また、イメージングプレートは撮影画像を何度でもリセットして使えます。いわば再生可能なレントゲンフィルムが入っているようなものです。

イメージングプレートの最大の利点は今までの環境を変えずにデジタル画像化を行うことができる点です。もちろん旧来のレントゲンフィルムのような現像液などの面倒な扱いもありません。
下の写真が当院で使用していたCRですが、写真中にある装置がイメージングプレートを読み取るスキャナー装置です。

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一方でその短所は下の写真のように、イメージングプレートを撮影の度に取りだしてスキャン(現像)しなければならならないことです。つまり、それが終わるまで画像を見ることができず、連続した撮影や取り直しができない点です。

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このように、第一世代のデジタルレントゲンであるCRは古いアナログ環境の影響をどうして受けてしまうため、レントゲン検査のデジタル化にいたる過渡期の装置と言えるかもしれません。

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最近では、デジタルレントゲンのシステムはより進化したX線検出器であるフラットパネル検出器(FPD)を用いた次世代のDRに置き換わりつつあります。
次世代型はデジタル第一世代のCRよりもレントゲン検査のさらなる「画像の向上」と「撮影時間の短縮と省力化」、「低被爆化」が達成されてきています。

当院で先ごろ導入したDRレントゲンシステムをご紹介しながら、その特長を説明をしたいと思います。
この製品は富士フィルム動物医療の環境に対応するべく開発した、最新式のDRデジタルレントゲンシステムです。

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下写真でスタッフが抱えている四角い板状の装置がX線を検知して、画像情報の元となるデータを端末に送信するフラットパネル検出器FPD)です。DRレントゲンシステムを構成する最も重要な装置です。

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この装置はX線をとらえてデータ化する撮像素子の集合体、デジタルカメラに例えるとその心臓部の画像センサー当たります。
X線発生装置(光源から放射されたX線(光)はこのFPDにより感知され、画像の元となるデータに変換され端末に送信されます。この装置は言うなれば巨大なデジカメそのものです。
FPDレントゲン撮影台の下にあるスペースに通常は隠して設置されますのであまり見ることはありません。

FPD

フラットパネル検出器ではCRように撮影の度にイメージングプレートを取り出して別な装置でスキャンする必要はもはやありません。
レントゲン写真は撮影された直後にディスプレイに表示されるため、すぐに高画質なレントゲン画像による診断を行うことができます。

また、このFPDは端末との無線LANによる通信機能を持っており、レントゲン室以外での撮影も可能です。例えば緊急時に待合室診察室内で撮影を行ったり、手術中にリアルタイムで使用することもできます。

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次にイメージングプレートCRレントゲンFPDによるDRレントゲンの画像比較をしてみたいと思います。下の写真はそれぞれ同じ猫の正常な胸部レントゲン写真です。違いがお分かりになるでしょうか?

CR胸部.jpg

DR胸部.jpg

上がCRで下写真が次世代のDRによるものです。
DRレントゲンの画像の方がくっきり明瞭に見える一方、CRではやや曖昧な印象を受けると思います。

下2枚の写真は同じ犬の胸部レントゲン写真です。どちらも黄色の丸の中に白い円形の何かが見えると思います。
実はこの写真は肺転移した腫瘍のパターンなのですが、上のCRより下のDRの画像の方がよりはっきりと異常を確認できます。どちらも同じデジタルレントゲンなのですが、異常を際立たせるという意味でもDRに優位性があります。

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文責:あいむ動物病院西船橋 病院長 井田 龍

謹賀新年2019

~ 謹んで新春をお祝い申し上げます。~

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旧年中はたくさんの飼い主様と地域の皆様に支えられ、多くの動物達とのかかわりを持たせていただくことができました。

今年は猪年、当院は来月で「設立11年目」を迎えます。

本年度も常に初心を忘れずに地域に必要とされる動物病院であるように、気を引き締めてスタッフ一同努力を重ねてまいりたいと思います。。。

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下の写真は1月6日に全国的に見られたの部分日食の写真です。
新年早々、松の内、日本国内では約3年ぶりの出来事でした。

当地の千葉県船橋市では、午前10時7分に最大食分、おおよそ3割の部分日食となりました。幸い、当日はお天気にも恵まれてキレイにかけた太陽を観察することができました。

お正月早々、なんともおめでたいことだと思いませんか?

>詳しくはこちらへ

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日食に興味のある方は以下のブログもどうぞ。。。2012年の記事です。
>金環食(金環日食)

新しいレントゲン設備

開業とともに約10年以上使用してきたレントゲン照射装置を更新いたしました。

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今回更新した設備は下の写真の中央のレントゲン(エックス線)照射装置と付属する撮影台です。テーブルの下には写真では見えませんが、X線エックス線)を検出してデジタル画像データに変換する フラットパネル検出器(FPD)が設置されています。

近年のレントゲン装置はこのように「照射装置」と「X線検出器」の2つのシステムから構成されています。今回、このブログでご紹介させて頂くのは、このX線照射装置で、この装置は撮影のための光源となるX線を発生・照射する役割を担います。

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PETMATE SXA-10S( 島津メディカルシステムズ )
>このレントゲン装置について

X線照射装置はその進歩に伴って、根本的なしくみが大幅に変わる機器ではありませんが、近年では「撮影に最適な性質を持つX線」を「より高出力」で「より短時間」に照射するための技術的な向上が積み重ねられています。

X線照射機の進歩はまた、「動物の大きさや種類ごとの撮影条件の自動化」や「動物医療に最適な操作環境の改善」にも及んでおります。動物病院特有の作業の煩雑さをより少ない方向へ、レントゲン検査のデジタル化と並行して動物達への負担軽減と時代が求めるより一層の低被爆化も進んで参りました。

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ここで、ちょっと脱線しますが、レントゲン検査の進歩のもうひとつの柱といえるのがX線を検出するためのイメージングプレート(第一世代のCRレントゲン)やフラットパネル検出器(次世代のDRレントゲン)と呼ばれるX線検出装置です。
これらは得られた画像情報をデジタル処理する仕組みの中心的役割を担い、まさにレントゲン検査の”デジタル化を象徴する装置”となっています。

デジタル化以前のフィルムによるレントゲン検査は、撮影の度に”光に弱い”レントゲンフィルムを真っ暗な暗室の中で手探りで準備して、撮影後にまた暗室に戻って現像するという、手順を要する面倒な作業でした。
また、現像に熟練を要する部分が多く、画像の品質も必ずしも一定しませんでした。

レントゲン検査の進歩は、「フィルムカメラ」が「初期のデジタルカメラ」(CRレントゲンに相当)に進化してフィルムを現像するという概念がなくなり、さらに「連続撮影・通信機能付きの高画質のデジカメ」(DRレントゲンに相当)になってきた、というカメラの進化に置き換えると理解しやすいかもしれません。

フラットパネル検出器では、レントゲン写真は撮影された直後にディスプレイに表示されるため、デジタル第一世代のCRよりも手順が少なく、より速やかに高画質な画像による診断を行うことができます。

当院ではフラットパネルによる最新のDRシステムX線照射装置に先立って済ませたばかりですが、この話題はまた次のブログでご紹介いたします。

>レントゲン検査のデジタル革命とは?

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次に、レントゲン検査の原理やその仕組みをご説明したいと思います。

レントゲン検査X線(エックス線)を光源にしたレントゲン写真による画像検査のひとつで、医療における検査手段としてなくてはならないものです。

X線とは強いエネルギーを持つ肉眼ではとらえられない”光”の一種であり、”放射線”に分類されます。
つまり、体の組織をいとも簡単に通り抜けてしまう能力を持っており、その性質を利用して肉眼では見ることができない体内の様子をレントゲン写真として映し出すことができます

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X線は体を簡単に透過できますが、その「内部構造」によって、さまざまな割合で吸収されます。例えば、のように固い部分はX線を吸収しやすくほとんどX線を通しません。一方で、脂肪筋肉組織などの水分の多い軟らかい部分や液体などは一部が吸収されて透過しますが、空気が多い肺などの臓器であれば、ほとんど吸収されずに通してしまいます。
さらにX線が吸収(透過)される度合いは、そこにある異常の有無でも異なってきます。つまりその違いが異常なレントゲン画像として検出されるのです。

レントゲン写真では体を通り抜けたX線が体の中の構造によって様々なパターンで吸収され、X線が多く透過した部分はより”黒く”、透過しにくい部分はより”白く”写ります。明るさを白から黒の濃淡として表現する「白黒写真」をイメージしていただくとイメージしやすいかもしれません。
レントゲン検査というのは白黒画像として作られた、濃淡の微妙な差や変化を臓器や「内部構造」の異常としてとらえて診断につなげる作業なのです。
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ここで、ちょっと脱線してレントゲン検査の歴史はどんなものであったのか紐解いてみましょう。

X線は、1895年にドイツの物理学者であるヴィルヘルム・コンラート・レントゲン博士(下写真)によって発見され、博士はこの功績により1901年に第一回ノーベル物理学賞を受賞しています。
つまり、X線の発見はまさに大発見であったというわけです。

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クルックス管と呼ばれる初期の真空管を使って、とある実験をしていたレントゲン博士は、一定の条件の下で、その真空管から物体を透過する能力のある、”未知の光のようなもの”が放出されることを偶然に発見しました。
不思議なことに、その強い”謎の光”は目に見えないばかりか、分厚い本や厚いガラスさえも通り抜けたそうです。

レントゲン博士はそのよく分からないに、数学での未知を表す””から意を得て、X線エックス線)と名付けました。このX線には強い物質透過性があることから、その証拠として自身のアンナ・ベルタ夫人の手を写真乾板の上に置き、放電管からのX線を15分間も!照射したところ、手の骨と結婚指輪だけの写真が撮れました。
これが有名な「115年前」の世界初のレントゲン写真として現代に残っています。(下写真)

夫人はこの写真を見たとき、「自分の死体を見た気分だわ!」と叫んだという逸話があるとか。
写真の薬指にある黒い塊は金の指輪です。金属はX線を強く吸収して透過させないために写真の上では黒く見えており、現在見慣れているレントゲン画像と比べると、白黒逆転した「反転画像」になっているのが分かります。

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現在の最新のレントゲン写真と比較してみると100年以上の技術の進歩は偉大ですね。

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X線の発見によって、人体にメスを入れることなく人体の内部が観察できるという驚きの事実は、誰もが分かりやすくインパクトのあるレントゲン写真という衝撃的な画像と共に、ヨーロッパ域内だけではなく海外にも広く駆け巡りました。

発見から3か月後には日本国内でも紹介され、翌年1896年には、X線の研究に着手していた島津源蔵氏(2代目)が手のX線写真撮影に成功し、その翌年には教育用のX線装置が商品化され、その後の同社での1909年の国内初の医療用レントゲン装置の発売につながります。

ちなみに初代、島津源蔵氏の父親(一代目)が1875年に創業したのが、かの島津製作所だそうです。
この会社は世間一般での知名度こそ低いのですが、理系学部卒にはお馴染みの計測器メーカーであり、精密機器、医療機器、航空機器など目立たないけれども重要な分野を手掛けています。

また、医療用レントゲン装置の開発だけではなく、レントゲン検査のデジタル化の根幹となるX線フラットパネル検出器(FPD)や、科学分野でなくてはならない電子顕微鏡や微量分析器のガスクロマトグラフなど多くの機器を開発しています。
つまり、島津製作所はその歴史の長さに加えて、世間一般の目には触れないものの、今やそれなしでは世の中が非常に困る機器を開発、商品化し続けて来た企業でもあります。

最近では、”現役サラリーマン初”のノーベル賞(化学賞)を受賞した、田中耕一氏が島津製作所の研究者であったことも世の中の話題となったことも記憶に新しいのではないでしょうか。
また、創業者が薩摩の島津家とも関わっているとかいないとか。諸説あるようですが、調べてみると歴史の一部にもつながっているようで、とても興味深いものですね。

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>島津製作所の沿革はこちらのリンク

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最後にまとめです。

当院で今回導入したレントゲン装置は冒頭にご紹介いたしましたように、島津メディカルシステムズが取り扱う動物病院仕様の最新の製品です。

レントゲン検査の歴史を紐解くうちに、ひとつの医療機器を通じて国内におけるレントゲン装置の黎明期から、さらにはレントゲン博士によるX線の発見の歴史に連なる100年超の年月の積み重ねに思いを馳せられるという、得難い体験ができたことに感謝したいと思います。

100年前には想像さえできない程の高品質なレントゲン撮影がいとも簡単にできるようになった時代に感謝をしつつ、この新しいレントゲン装置を日々訪れる小さな患者さんたちの役に立てるべく、精一杯努力したいと改めて感じます。

だいぶ話がそれてしまいました。。。長文をお読みいただきありがとうございました。

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文責:あいむ動物病院西船橋 病院長 井田 龍

 

自動分包機について

自動分包機というものをご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?

自動分包機とはざっくりいうと、錠剤粉薬などを服薬のパターンに沿って自動的に薬袋に袋詰めしてくれる装置のことを指します。調剤薬局などの施設には必須な装置であり、院内調剤を行う動物病院でもそれは同様です。

病院でもらった処方箋をもって街の調剤薬局を訪れると、カウンターの向こう側で、下の写真のような装置で薬剤師さんが調剤しているところを見かけることも多いかもしれません。

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動物病院で使われるような「自動分包機」は正しくは、そのほとんどが自動分割分包機といわれる機器のことで、小規模な薬局などを対象とするエントリークラスの製品です。
例えば、おびただしい件数の調剤を行うような病院や規模の大きな調剤薬局では、複雑な作業が自動化されたロボットのような自動分包機も使用されています。

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ところで、動物病院では人間の医療機関でおなじみとなっている医薬分業は行われておりません。は院内で調剤されて患者さんに受け渡されるため、その比率では人の診療所を大きく上回る自動分包機が稼働しているのと思われます。
人間の医療機関、特に街の診療所では今や調剤を行わず、処方箋をもらって調剤薬局へというやり方がほとんどなのとは対照的です。

余談ですが、世の中は医薬分業なのになぜ動物病院院外処方しないの?と、患者さんとしていらした薬剤師さんなどから聞かれることがあります。
実は法律の上では獣医師調剤薬局薬剤師処方箋(せん)を書くことができるのですが、それに対応するコストと手間の問題により動物病院からのオーダーを受け付けていないというのが実際のようです。

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ここで、自動分包機が扱う内服薬にはどういった種類があるのかをまとめてみましょう。
一般的にクスリと聞くと、飲み薬をイメージする方が圧倒的と思われますが、飲み薬、すなわち「内服薬」はその”かたち”から錠剤カプセル剤散剤・顆粒剤内服液剤・シロップ剤などに分類されます。

内服薬剤型によるそれぞれの特徴は以下の通りです。(ご参考までに。。。)

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〇錠剤:クスリの成分を錠剤の形に加工して固めた薬です。
そのまま固めた「素錠」の飲み難さや吸収の改善を目的として、表面をさまざまな成分で覆った錠剤を「コーティング錠」といいます。糖分でコーティングした「糖衣錠」、薄い膜でコートした「フィルムコーティング錠」、この中には胃で溶けないで腸で吸収される腸溶剤などが含まれます。
また、最近では唾液で溶けるように作られた「口腔内崩壊錠OD錠)」が普及してきました。

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〇カプセル錠消化管内で溶けるゼラチンなどで作ったカプセルの中に薬剤がはいっている薬です。カプセルに入れることで飲みやすくしたり、薬を吸収させたい場所まで効率よく運ぶことができます。
カプセルの中身は顆粒散薬(粉薬)だけではなく、液体が入っていることもあります。

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〇散剤・顆粒剤散剤は”粉末状”、顆粒剤は”小さな粒状”の薬です。

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〇内服液剤・シロップ剤内服液剤は薬の成分を水などの液体に溶かして作られた薬です。
シロップ剤はそれに甘みを加えて飲みやすくしたものです。顆粒剤に似ていますが、飲む前に水に溶かして服用するドライシロップ剤があります。

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一般的な自動分包機が扱うことのできる薬剤錠剤カプセル剤散剤・顆粒剤・ドライシロップ剤などです。

実は、こうした多種多様なや組み合わせを、様々な”飲み方”や”飲む日数”で正確に分けて、それを一つ一つ袋詰めにするという手作業にはかなりの労力と時間が必要なのです。加えて、ミスも発生しやすい。

例えば、”3グラムの粉薬を一日2回の服用で二週間分に分ける場合”はどうでしょう?
3グラムの薬をきっちり14分割(1個当たり0.214グラム)して、それぞれ14枚の”分包紙”に入れて折り紙のようにひとつずつ折込む作業です。

このような手作業を様々な服薬のパターンで、正確に幾度なく行うことを想像できますでしょうか。。。

数十年前の自動分包機がまだ普及する以前は、手作業で調剤を行っていた薬剤師さんたちには多くの苦労があったようです。

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このように、自動分包機の大きな役割はを一袋ずつ均等に分けるという手作業による調剤で発生する問題をなくして、大幅な省力化に貢献してくれることです。
つまり、調剤業務の縁の下の力持ちであり、人の薬局は言うに及ばず動物病院でも今やなくてはならない機器なのです。

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当院には現在、既に2台の自動分包機が稼働していますが、薬を受け取るまでの待ち時間の短縮と、調剤のために駆り出される獣医師などの作業量軽減ために、さらに3台目となる自動分包機を導入致しました。
今回、新規に導入した機器は湯山製作所YS-Mini-R45 という機種です。(下写真)

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この自動分包機の最大といえる特長は、従来の均等に薬剤を袋詰めにする機能に加えて散薬(粉薬)を機械に投入するだけで”分割と分包”を同時に行える全自動散薬分包機であることです。
お読みの方には、それって何の違いがあるの???と思われるかもしれません。

実は動物病院では”人間用の錠剤を砕いた粉薬”、としたもの、体が小さいための”とても少ない粉薬”、飲ませ易くするために”何種類も混合した粉薬”などのためにの本来のパッケージを崩して、割ったり、粉にして調剤するパターンがとても多いのです。

動物病院で行われる調剤の特徴は、あえて言うならば人間の小児科に比較的近いかもしれません。ただし、動物医療の特徴から調剤のパターンはより複雑になります。
その理由とは、”より多種多様な薬”を使用すること、”より少ない調剤の難しい量”であること、小さいながら数倍~20倍以上の”患者さん毎の体重差があることです。

特に問題となるのは以下の点です。
つまり、従来の自動分包機自動分割分包機)では調剤することの多い粉薬を自動的に分けることができないということです。

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このため、あらかじめ粉薬を機械が均一に分割できるように装置の”Vマス”という粉薬を投入する”溝”に沿って丁寧に粉薬を均す作業が必要になるのですが、これが手作業なのです。
つまり、極めて少なかったり、体重ごとの様々な薬の量や粉薬ごとの性質の違い、またその混合物の扱いを熟練スタッフの”技と勘”に頼るような、いわば”半自動分包機”と言わんばかりの手間がかかります。

かといって、動物医療に従事する専業の薬剤師さんはまずお目にかかりませんし、調剤薬局院外処方するわけにもいきませんから、少しでも労力を軽くというのが動物病院共通の課題なのです。

以上が、動物病院でなぜ粉薬を自動的に分割できる装置が必要とされているのか、ということの答えでしょうか。

ところが、こうした機能を持つ自動分包機は今までは大型でコストの高い装置でしかありませんでしたが、製品の改良による小型化が進んだ結果、ようやく動物病院が導入できるようレベルになって参りました。

こうしたメーカーの開発力と技術力に感謝したいと思います。

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文責:あいむ動物病院西船橋 病院長 井田 龍

わんわんパトロール

千葉県をはじめとする地方自治体レベルで行われている「わんわんパトロール」という運動を皆様はご存知でしょうか。

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もしかしたら、実際にボランティアさんたち直接お会いしたり、地域のコミュニティや地域に配られる情報誌などで目にされた方もいらっしゃるのではないかと思います。
私は自宅に配布される地域のコミュニティ媒体で初めて知りました。

>東京都目黒区の例

この「わんわんパトロール」は自治体単位で犬の飼育世帯から参加者を募り、たくさんのワンちゃんによる散歩の結果として生まれる、”地域の目”や”コミュニケーション”を犯罪抑止力として活用し、地域に貢献してもらおうというボランティア活動です。

こうしたボランティア活動の背景には”子供たちを犯罪から守る”という目的があります。つまり、頻発する子供の連れ去りや凶悪事件を地域ぐるみで未然に防ぐことができないか、ということを第一の目的としています。

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小中学校などが保護者向けに不審者情報を一斉送信するような時代でもありますから、子供を持つ親としては、身近にそういった脅威の影を感じるというのは、もはや日常のできごとになりつつあるのではないでしょうか。

多くのわんちゃんが散歩をしている時間帯というのは、実は地域の子供たちが不審者に遭遇しやすい下校時以降の午後3時から夕方にかけて重なっていることから、こうした運動が生まれました。

犬という存在は普段は声をかけにくい人と人との垣根を低くしてくれます。つまり、ワンコが近隣の人々のコミュニケーションの潤滑剤として、その担い手となることを期待されているわけです。
犬を連れている人が増えて、道すがらにたくさんの会話と注意が生まれることによって、地域の連携が保たれること、その結果として不審者が活動しにくい状況を作り出すこと、その波及効果を「わんわんパトロール」は狙っています。

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飼い主さんにとって、何となく習慣となっている犬の散歩が、”社会貢献”にもなるということですし、ほとんどのワンコにとっては飼い主さんとのお散歩はとにかく”楽しいこと”ですから、時間が許すのであればやらない理由は特に見当たりません。。。

また、同時に人間と犬の”つながり”をよりよいものへ、飼育世帯に留まらない、地域での飼育動物への理解や動物愛護の精神を育むことにもなります。地域での犯罪抑止だけでには留まらない動物福祉への貢献にもつながるという、広がりをもつ事業といえるでしょう。

飼い主さん、わんちゃん、コミュニティにとっての”三方一両損”ならぬ、”三方一両得”?といえるかもしれませんね。

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確かにこうしたことで世の中の何かが一朝一夕に変わるわけではありません。
ともかくも良好なコミュニティを形づくるために、住民にあまり負担感のない、このような地道な作業の積み重ねは大事なことでしょう。こうした試みが息の長い活動として根付くことを願って止みません。

県内ではこの「わんわんパトロール」は千葉県警察本部千葉県獣医師会とのコラボレーション事業として本年度(2018年)より始まりました。千葉県ではその特徴として他の自治体ではない試みとして、協力世帯に対していくつかの”特典”を用意したことが新聞などのメディアの関心を呼んだようです。

登録を終えた「協力隊員」の元には特典として「協力隊会員証」、「マイクロチップ装着助成券(※)」、「健康診断助成券(※)」が届くそうですが、これよって防犯への社会貢献への動機づけに留まらず、ワンちゃんの安全や健康管理の意識向上も目指しているとのことです。
※)千葉県獣医師会所属の動物病院での対応となります。

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最後になりますが、当院は千葉県獣医師会に所属しておりませんので、この事業には関与しておりません。このブログはこの事業に関わる獣医師としてではなく、一般の方が触れることができる「わんわんパトロール」に関するニュースソースを元にまとめたものです。

ご興味のある方は下記の外部リンクを参照して頂くか、お近くの千葉県獣医師会所属の動物病院へお尋ねください。

>千葉県獣医師会へ
>所属病院一覧へ

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文責:あいむ動物病院西船橋 病院長 井田 龍