スーパームーン

皆様、新年あけましておめでとうございます。
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2018年を迎えた首都圏のお正月は久しぶりに好天に恵まれ、3が日はほぼ雲一つない快晴となり、空も澄んできれいなお月様を拝むことができました。
下の写真は年初の1月2日に千葉県船橋市で撮影しました、今年最初で「最大」の満月、いわゆる「スーパームーン」です。

supermoon.jpg

ところで今回のテーマですが、新年の勢いに乗って動物病院の話題とは全く無関係のない「お月様」の話題です。。。(汗)
他にも天文現象の際に書いてますのでよろしければどうぞ。
>金環日食(2012/5/20)
>金星の太陽面通過(2012/6/6)
>皆既月食(2018/1/31)

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ところで、冒頭の「最大」の満月って?満月はいつも最大なんじゃないの???などと思われた方もいらっしゃるかと思います。
実は今年1月2日の満月は、近頃よくネットニュースなどで見かける「スーパームーン」と呼ばれる満月でした。 

実は、このスーパームーンという呼び名は正式な天文学の用語ではありません。その言葉や定義や使い方ははっきりとは決まっていないようですが、いつもより”大きくて明るい満月”という意味で使われることが多いのではないでしょうか。

この用語はどうも1970年代後半に占星術から入って来たものらしく、巷に広まり始めたのはまだ最近の話のようです。特に、ここ数年くらいの間に「スーパームーン」という用語をしばしば耳にするようになってきているように思います。

おそらく、"ネタ映え"するものであれば何でもオーケーのネットメディアなどがこういった現象や用語を盛んに拡散してきた結果なのかもしれません。

その結果として、今まで”ただの満月”でしかなかったものに、このスーパームーンというなんとも特別感が漂う表現によって、わずか数年で「中秋の名月」に迫るほどの結構な付加価値というか、箔がついてしまったかのようです。

普段、夜空なんか到底見ないような人に突然、”今日はスーパームーンなんだぜ”とドヤ顔させる程の力強いネーミングセンスとネットの拡散力の見事なコラボレーションの成果といったところでしょうか。
何やら天文現象というよりむしろネットやSNSの普及に伴う社会現象とかブームの類のようにさえ思えてきます。。。

さらに、近頃ではスーパームーンに願い事とか、最大進化した「エクストリーム・スーパームーン」などという何かの必殺技のようなカテゴリーも登場しています。
スーパームーンの○月●日に天変地異が、などというオカルト系もその勢力を拡大し、ネタ素材としての熟成度を一層高めようとしているかのようです。。。

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とにかく、たくさんの人々を引き込んでSNS映えするような写真を投稿させたり、”へぇー”と思いながらとにかく月に視線や関心が向いたことは間違いないことですから、些細ながら社会を明るくするような現象のひとつといえるのではないでしょうか。

その「スーパームーン」ですが既に多くがご存知の通り、それは地球の周りを回る”月が地球に最も近づいた辺り”で見られる満月のことを指します。
実際のところ、どこまで普通の満月でどこからスーパーなのかという”決まりは特にない”、なんてことはおそらく誰も気にしていません。

また、月が近いとか遠い、ということにあまりピンとこない方も多いとは思います。実はこの大宇宙では何かの周りを回る天体の描く軌道はほとんどが楕円形なため、そういった天体間の距離というものは通常は一定なものではありません。

いつも同じ大きさを保っているように見える月も多くの例にもれず、実際には地球の周りに緩やかな楕円軌道を描いています。地球と月の距離がそれによりどのくらい変化するかというと、約35万6千~40万6千Kmとその差約5万Kmとなりますが、日常生活からあまりにかけ離れているためそれをイメージすることは難しいかもしれません。
数年落ちの中古車がかなりがんばって走り切った距離?だいたい地球一周ちょっとくらいの距離?どうもすっきりしません。

詳しく知りたい方は下のリンクがわかりやすいのでぜひご覧ください。

> 暦Wiki「大きな満月、小さな満月」
  国立天文台

冒頭の月の写真を合成して月の大きさのおおよその対比してみました。(下写真)
左側が最大の満月「スーパームーン」、右はまだ世間の認知度、盛り上がり共にいまひとつの最小の満月「マイクロムーン」です。

月は地球の周りを一周する間に満ち欠けとは別に、その見かけ上の大きさも周期的に行ったり来たり変化しています。たまたま地球に”一番近い場所のあたり”に月があった時に、満ち欠けの規則性が重って満月になった場合にスーパームーンとなります。
両者を並べてみるとそのサイズ感が随分と違うということがトリビア的?ではないでしょうか。

super-micromoon.jpg

最小の満月と比べると、スーパームーンは見かけ上の直径でだいたい14%、明るさで約3割増にもなるようです。
すごいんじゃないの?と思うかもしれませんが、あくまで最小の満月からの比較での最大値ですから、平均的な満月の大きさからは大体その半分の7%程度でしかありません。さらに前日に見ていた月が急に大きく見えるようになるわけでもありません。

実際には最大と最小の満月2つが並んでいればその差が分かるという程度のものだと思いますが、この”スーパー感”を、パッと見て実感するためにはかなりの視力と鋭い感性を兼ね備えている必要があるでしょう。

夢のない話ですが、普通の人には、”今日はスーパームーン”という思い込みや地平線の近くで月が大きく見えるような錯覚の方が上回って感じられるかもしれません。。。

それでもいいじゃないですか、スーパームーン。

満月を愛でるという古来からの習慣が次第に薄れゆく現代において、”お月見のかたち”にはいろいろな選択肢があった方がいいのは言うまでもありません。

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次の”本格的”なスーパームーンは1年以上先になる2019年2月19日だそうです。次回も明るくてきれいな月を拝めるといいですね。。。

また、今月1月31日には”準スーパームーン”、かつ同じ月内での2回目の満月、”ブルームーン”が皆既月食(別名ブラッドムーン)を起こすというレアイベントが控えています。
つまり、「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」で約35年ぶりの出来事だそうです。
>皆既月食(2018.1.31)

ところで、人気のいまひとつ出ない「マイクロムーン」ではありますが、本年度7月28日に見られるということですから、こちらも方もお忘れなく。。。

> スーパームーン(Wikipedia)へ

moon and cat_TP_V4.jpg
©http://www.haioi.com/
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文責:あいむ動物病院西船橋

病院長 井田 龍

AIM ANIMAL HOSPITAL NISHIFUNABASHI
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